院長ブログ

Blog

院長ブログ

2022年7月20日

帯状疱疹

最近、帯状疱疹ワクチンのテレビコマーシャルをご覧になられた方も多いと思います。帯状疱疹は水疱瘡と同じウィルス=Varicella Zoster virusが原因で、初感染時には水疱瘡を発症し、治癒後の非活動期は神経細胞周囲に潜伏します。何らかの原因で免疫力が低下するとウイルスが再び活性化し、今度は帯状疱疹として発症します。帯状疱疹になると、その後遺症の神経痛に苦しむ人も多く、帯状疱疹ワクチンでそれを防げるということで、テレビコマーシャルが流されているのです。(昨今コロナワクチン接種により帯状疱疹の発症リスクが1.8倍になるという報告があり、最近当院でも発症者が目立ってきた印象です。)さて、このウィルス、帯状疱疹を引き起こすだけではなく、各種疾患の原因、もしくはリスクとなることが知られています。例えば、アルツハイマー病は以前から単純ヘルペスウィルス(HSV-1)感染と相関関係があるとのエビデンスが得られておりますが、最近になって帯状疱疹も認知症発症リスクを高めるとの報告が出てきております。また、帯状疱疹発症直後は心筋梗塞など心血管系疾患の発症リスクが高くなることも報告されております。頭痛分野では、周期的に耐え難い頭痛を引き起こす群発頭痛は帯状疱疹がその誘因であるというエビデンスが確立されつつあります。実際、群発頭痛ワクチンとしても帯状疱疹ワクチンは使用されております。このように帯状疱疹ウィルスは皮膚病変に限らず、色々な疾患と結びつきがあるのです。

 



ブログ一覧へ