2026年3月24日
片頭痛の患者さんとお話ししていると、よくこんな言葉を聞きます。
「頭だけじゃなくて、顔まで痛い感じがする」
「髪を結ぶだけでつらい」
「メガネが当たるのも嫌」
「いつもの音がすごくうるさく感じる」
「においがダメになる」
「子どもの声が頭に響く」
「肌に触れられるのもしんどい」
これ、片頭痛がある方には“あるある”ではないでしょうか。
この状態には、中枢性感作という仕組みが関係していることがあります。
少し難しい言葉ですが、簡単にいうと、
脳や神経の“痛みのセンサー”が過敏になってしまっている状態です。
本来ならそれほど痛くない刺激なのに、脳が「痛い」「つらい」「不快」と強く感じてしまう。たとえるなら、家の火災報知器が敏感になりすぎて、本当の火事ではないのに、湯気や少しの煙でも大音量で鳴ってしまうようなものです。片頭痛が続いたり、発作が長引いたりすると、脳がだんだん興奮しやすくなり、ふつうなら平気な刺激まで「つらい」と感じやすくなってしまいます。
このような状態を繰り返すほど、片頭痛は徐々に治りにくくなることがあります。
片頭痛は予防治療が大切です。
「痛くなったときだけ薬を飲む」だけではなく頭痛そのものを起こりにくくすることで、脳の過敏さを抑え、日常生活を楽にできることもあります。
最近、
「頭痛の日が増えてきた」
「前より痛みが強い」
「痛み止めが効きにくい」
思い当たる方は、予防治療を考えるタイミングかもしれません。
特に最近では、エムガルティやアジョビといった抗CGRP抗体薬は中枢性感作改善を目的とした治療選択肢として、とても期待がかかるものと考えられています。