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2022年5月9日

片頭痛治療:消火と防火について

今回は片頭痛の治療の話です。治療薬の細かい話ではなく、今回は治療のザックリとしたイメージを書いておきます。

 
①片頭痛と診断されても、そもそもどういうひとが専門治療を受けるべきなのか?
世界各国で、ガイドライン的なものは、色々と提唱されていますが、
一応以下が一般的な治療すべき片頭痛となります。
⒈日常生活に支障が出るレベルの頭痛が月に3回以上ある場合、
⒉永続的な神経障害を来す可能性のある特殊型片頭痛と診断された場合、
 もしあなたの頭痛が上記⒈⒉のいずれかに当てはまるなら専門的治療が推奨されますが、この2つに当てはまらなくても、その人の仕事や立場、生活スタイルを考慮して総合的に判断されます。

②片頭痛の治療とはいかなるものでしょうか?

前回ブログ>>では片頭痛を火事に例えましたが、治療はさしずめ火事に対する消防活動で例えられます。
消防活動には消火と防火がありますが、頭痛治療も消火に相当する急性期治療と、防火に相当する予防的治療があります。
⒈ 消火=火事(頭痛)発生時の対処 =急性期治療
⒉ 防火=火事(頭痛)を防ぎ、起こっても被害(症状)を軽くする =予防的治療
です。
火が出たとき、一般的に水をかけて火を消しますが、ガスの栓を締めて火の元を断つことも必要です。
同じように頭痛の急性期にも水をかけて炎症を止める薬(NSAIDS)とガスの栓を締めて炎症を止める薬(トリプタン等)があり両者を併用して炎症を抑え込みます。
一方、防火すなわち予防的治療は、患者さんの片頭痛のタイプ(血管過敏タイプか脳過敏タイプか?など)を考慮して薬剤を試します。
予防的治療は当院では効果が出てから大体4ヶ月ないし半年程度継続し、徐々に減量していきます。
脳の平和が数ヶ月続くとその後も平和が続いてくれるといったイメージでの治療です😃



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