2022年4月28日
片頭痛の起こるメカニズムについてはまだまだ分からないところも多いのですが、2つのメカニズムで説明がされています。
第一に血管の拡張です。
最初にストレスや、気圧変化などが視床下部を刺激し血液中に多量のセロトニンが放出されます。次にセロトニンの働きにより血管の収縮が起こります。そしてセロトニンが枯渇してくると、反動で今度は血管拡張が始まります。この血管拡張が神経に炎症(火事)を誘発し頭痛が引き起こされます。この時、血管拡張は血流が増えると更に強くなるので、お風呂に入ったり、アルコールを飲んだりすると頭痛は酷くなります。また、あたまを下に向けたりするだけでも頭痛は酷くなります。頭痛の人がこめかみを押さえる仕草になるのは、頭への血流を防ごうとする自然な反応なのです。
第二に脳過敏状態による痛みの増強です。
先の血管拡張は、血管壁にある三叉神経を刺激し、三叉神経を介して脳幹さらには脳細胞の興奮・過敏状態を引き起こします。このように敏感になった脳では、痛みはいっそう強く感じられることとなり、また脳の過敏性によるさまざまな随伴症状(めまい・光過敏・肩こり等)も起こり得ます。
以上、2つのメカニズムをまとめますと、片頭痛というのは、ピリピリと非常に敏感になった脳の中で火事が起こっている状態のイメージとなります。この火事は焚き火レベルのものから、放っておくと山火事レベルになるものまであります。山火事になる前に焚き火の段階で火を消してしまうという事が急性期の治療のコツとなりますが、治療の話はまたの機会にさせていただきます。